RECORD2010 of YSM-SPIP

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YSM-SPIP2010

CIMG1904.JPG開催場所

東京工業大学 本館3階理学系第2会議室 H3-45

Program 03.01

09:45-10:00 Opening Address

10:00-11:15 Morning Session I 座長:小渕 智之

10:00-10:45 安田宗樹

LinkIcon"Deep Learning and Restricted Boltzmann Machine"

10:45-11:15 桜井哲治

LinkIcon"Kullback-Leibler Importance Estimation Procedure を用いた Restricted Boltzmann Machine の学習アルゴリズム"

11:15-12:15 Morning Session II 座長: 林 愛空

11:15-11:45 片岡駿

LinkIcon"確率伝搬法による画像処理アルゴリズムの性能評価"

11:45-12:15 白木善史

LinkIcon"ランダムネットワークの頑強性に関する統計力学的評価"


12:15 13:30 昼休み

13:30-14:30 Afternoon Session I 座長:中島 哲也

13:30 14:00 杉山友規

LinkIcon"確率過程論から見たJarzynski 恒等式"

14:00-14:30 勝田仁之

LinkIcon"等エネルギー過程及びエネルギー制御系でのJarzynski 等式"


14:30-14:50 休憩

14:50-16:05 Afternoon Session II 座長:杉山 友規

14:50-15:20 太田洋輝

LinkIcon"単純なIsing 模型のダイナミクス起源のガラス的緩和現象"

15:20-16:05 岩田真美

LinkIcon"動的事象の臨界揺らぎに関する理論"


16:05-16:25 休憩

16:25-17:10 Afternoon Session III 座長:大関 真之

16:25-17:10 坂田綾香

LinkIcon"A Statistical Mechanical Study of Evolution of Robustness"

Program 03.02

10:00-12:00 Morning Session 座長:坂田 綾香

10:00-10:45 大関真之

LinkIcon"Duality analysis for spin glasses"

10:45-11:15 宮崎涼二

LinkIcon"スピングラスの基底エネルギーの解析"

11:15-12:00 長内淳樹

LinkIcon"実空間繰り込み群による 横磁場Blume-Emery-Griffiths模型の解析"


12:00-13:30 昼休み

13:30-15:00 Afternoon Session I 座長:岩田 真実

13:30-14:15 小渕智之

LinkIcon"高階RSBを示す系の探索と解析と示唆 -Genelarized Random Energy Model から言えること-"

14:15-15:00 中島哲也

LinkIcon"コンプレキシティの多段階レプリカ対称性を伴う模型への拡張"


15:00-15:20 休憩

15:20-17:05 Afternoon Session II 座長:安田 宗樹

15:20-15:50 三屋諒太郎

LinkIcon"Digital Watermark Based on Error Correcting Codes"

15:50-16:35 林愛空

LinkIcon"非線形プリコーディングの統計力学的解析"

16:35-17:05 後藤拓馬

LinkIcon"確率伝搬法を用いた評価表現辞書構築"


17:05-17:20 Closing

KeyWords

YSM-SPIP2010で登場した学術キーワード集

コンプレキシティ

古くから,統計力学における解析の第一歩目は平均場近似である.平均場近似を用いて自由エネルギーを評価することで,自由エネルギー地形の定性的振舞を観察し,相転移の直感的な理解を得ることができる.
 しかしスピングラス模型では,純粋な系と異なり,この地形は非常に複雑になる.そのため,直感的な理解のためには地形から情報を抽出することが必要である.特にその地形の「谷」の数は,分配関数の評価という観点からは鞍点として重要な量である.そこでこの量の対数をコンプレキシティと呼ぶ.
(中島哲也)

感情抽出

文章やその文章中の単語が肯定的な意味(感情)を持っているのか,否定的な意味(感情)を持っているのかを調べたい状況を考えます.調べたい対象が少ない場合は直接人間がそれを読めば良いのですが,対象が多くなってくると、もはや人手では不可能となってしまいます.
そこで,対象が肯定的な意味(感情)を持っているか否定的な意味(感情)を持っているかを自動的に判別する技術が必要となってきます.このような技術を用いて対象の感情的な側面の肯定,否定を抽出することを感情抽出と呼びます.
(後藤拓馬)

Duality

平衡統計力学での核となる分配関数に備わる対称性のこと.
この対称性を利用して異なる温度の関係を構築する事が出来る.
一番の顕著な帰結として非常に簡単に相転移点を求める事が出来るのが解析手法としての強みである.
(大関真之)

ガラス的緩和現象

低温高密度の粒子系、またはスピングラス系などでは従来の臨界緩和や秩序化過程にあてはまらないような遅い緩和現象が起きることが知られている.
そのような現象を指して、ガラス的緩和現象という言葉が使われることがある.
(太田洋輝)

動的不均一性

過冷却液体の粒子のダイナミクスを見ると,粒子が早く動く領域と遅く動く領域が空間的に不均一に存在する.これは動的不均一性と呼ばれる.ここで,粒子の相関が切れる時間スケールの間に個々の粒子が動いた変位を描画すると,空間的に不均一な構造が浮かび上がる.この変位の揺らぎに着目すると,揺らぎの振幅,長さと時間のスケールがある転移点に向かって発散していく傾向がある.
(岩田真美)

ランダムエネルギー模型

スピングラスモデルの一つであり、各エネルギー準位の相関を完全に無視して、独立な確率変数として与えるモデル。物理では、現実の系を記述するというより、平均場スピングラスの数理を理想的に体現するものとして導入されたが、情報科学では、ランダム符号の最も基本的なモデルの一つとして活躍している。
(小渕智之)

揺らぎ定理について

揺らぎ定理は90年代中ごろに提唱されたもので、非平衡性の強さに関わらず成り立ち、非常に一般的な定理である。今日、この定理は様々な形で表現されているが、すべてに共通する点は、エントロピー生成の仕方にある種の制限が加えられるというものであり、その制限は物理系の時間反転対称性に由来する。
また、この定理は非常に簡潔なもので適応対象を選ばないため、今後多くの応用が期待される
(杉山友規)

ボルツマンマシン

マルコフ確率場上に定義される統計的機械学習のモデル.
数理的には統計力学の(イジング)スピンモデルと等価であり,平均場理論をはじめ様々な物理的手法が有効である.ボルツマンマシンの学習は統計量が与えられた下で,逆にモデルのパラメータ(磁場,交換相互作用)を求める課題であり,通常の平均場理論的な流れとは真逆の問題となる.そのためとくに逆問題とよばれ,機械学習の観点のみならず物理の問題としても興味深い.
(安田宗樹)