研究紹介

確率的情報処理

不確実性を有する環境から意味のある情報をどう効率的に取り出すか, という問題は多くの情報処理に現れる理論的課題です. この課題に対して近年注目を集めている,環境の不確実性を確率モデルによって記述し, それに基づいて推論,学習,適応を行う方法論について研究しています. 具体的には,現実的な時間複雑度で実行可能な推論, 学習のアルゴリズムを構築するために必要な近似的確率推論の数理的枠組みについて, 統計科学,情報理論,統計力学,情報幾何学等の立場から領域横断的,多面的に研究を行っています.

情報統計力学

自然界の物質の振舞いを記述するために開発された統計力学は, 大自由度(~10の23乗)の確率モデルでの推論を行う理論的枠組みを与えていると見なせます. 統計力学での研究成果を,大規模な確率モデルに基づく情報処理の問題に適用して 新規な知見を得ることを目指す情報統計力学について研究しています. 特に,情報理論や統計科学などとの比較検討にもとづく理論的整備, ならびにディジタル無線通信,統計的学習理論,ニューラルネットワーク, 最適化理論,ランダム行列理論,経済物理学,量子アニーリング などの分野の諸問題への応用について数理的な側面から検討します.

情報通信理論

ノイズや劣化のある通信路を介して情報を伝達する方法論を議論する情報通信理論の諸問題は, その多くが不確実な環境下での推論,学習,適応の問題と捉えることができます. このような観点から,携帯電話や無線LANなどの移動体通信において使われている CDMA (符号分割多元接続) 通信方式やマルチアンテナ方式などの種々の無線通信方式の 理論的性能評価や情報抽出のためのアルゴリズムの構築, ならびに理論限界に迫る性能を発揮する誤り訂正符号化法について研究を行っています.

統計的学習理論

推論,学習,適応の方法論に関する研究成果の検証を主な目的として, 劣化画像の修復,多次元データのクラスタリング,データにもとづく情報量尺度の推定, ディジタル無線通信における情報推定,強化学習などの具体的な問題群について研究を行っています.

圧縮センシングの数理

画像や音声,動画などのデータを考えてみましょう. これらのマルチメディアデータはサイズが年々大きくなってきているので, 保存の際には圧縮がなされることが少なくありません. しかしこれは,よく考えてみるとおかしくないでしょうか. データのほとんどをただ圧縮するために取り込むよりも, 取り込む段階で圧縮できるのであればそうしたほうが,より好ましいということがいえます.

「圧縮センシング」はこうしたことを可能とする新しい枠組みとして大いに注目を集めています. 圧縮の理論的限界の解明をはじめとして圧縮センシングの数理的性質を明らかにするための研究を行っています.

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